取材レポート

百合学院小学校

大好評のナザレトクラブ。放課後の学童保育と習い事を全て学校で “All in School”

キリスト教カトリックの精神を基盤として、深い教養と品格を備えた子どもたちの育成を教育目標する百合学院小学校。魅力の一つに「ナザレトクラブ」(学童保育)があります。時代に先駆け、放課後の預かり保育を2000年に設立し、今年で24年目になります。
今日、共働き家庭が増え学童保育室の待機児童問題も深刻化しており、学童保育へのニーズが高まっています。ナザレトクラブは、子どもたちの安心安全な放課後の生活を大前提とし、働く保護者の方の思いやニーズを丁寧にヒアリングし、一助になればと言う思いから、2021年度にさらにリニューアルしました。安心安全な放課後の居場所と、帰宅してから習い事に通うとなれば送迎が大変で、保護者の方への負担となっている点に着目し、学童保育と習い事を全て学校で過ごしてもらう『All in School』をスタートさせました。

百合学院小学校学院長 大石温子先生のお話
• 学年を超えて過ごす事で、自己有用感を高める
• ナザレトクラブでの一日
• 子どもたちの放課後の過ごし方で将来の可能性を広げたい
• “百合らしさ”を残しつつ、社会の変化も取り入れる
• まとめ

百合学院小学校学院長 大石温子先生のお話

学年を超えて過ごす事で、自己有用感を高める

小学校6年間の放課後の過ごし方が、子どもたちの成長に大きくつながると考えています。子どもたちにとって様々な経験ができる貴重な時間です。一緒に同じ部屋で学習することにより、憧れの上級生がすぐそばに感じられ見本にし、下級生を妹のように可愛がることで、必要とされているという自己有用感が芽生え、お互いに相乗効果で人に対して優しい心を持つようになります。教員免許を持つ先生が担当しているので、学習面でもしっかりサポートすることで学力を伸ばす事が出来ます。学校とは少し違った学びや交流を通して、子どもたちが学習や遊びができる環境の中で個々が持つ可能性を広げていくことを目的としています。また、学童保育は就労条件がなく、百合学院小学校の児童であればどのご家庭でも、1年生から6年生まで、1時間500円~1,000円、最長19時まで利用可能になっているのも大きなポイントです(利用保険として年間800円が年度初めに要加入)。

ナザレトクラブでの一日

終礼後、指導教員が、放課後「ただいま!」と言って入室する子どもたちを毎日迎えてくれます。とてもアットホームな雰囲気です。宿題や課題をしたり、お友達と遊んだり、学年を超えて時には家族のように和やかに過ごすそうです。
また、専門の講師が担当する「曜日指定プログラム」と呼ばれる9つの習い事があります。習い事には「静」と「動」のバランスが大切といわれますが、両方が組み合わさったバランスの良い構成になっています。

月/工作・絵画、バドミントン
火/フラダンス、レプトン英語教室
水/レプトン英語教室、体操
木/華道・茶道、そろばん
金/プログラミング、書道
※1プログラムにつき3,300円/月(預かり料込)

「子どもたちが自分の好きなプログラムを自由に選んで受講できます。また、おうちの方と相談しながら、その日のスケジュールを決められます。プログラムが充実していて、安心安全に通わせられるという点が大変ご好評を頂いております」と大石学院長先生。最近特にレプトン英語教室、プログラミングの人気が高く、書道も低学年より毛筆を始めており、賞をもらった児童もいるようです。
長期休み期間中は、学習のみならず、プールやスイカ割り、プラネタリウム鑑賞など、長期休みにしかできない様々な体験ができるよう毎年工夫しているとのことです。
それ以外にも「課外レッスン」として、チアダンス、ピアノ、声楽があります。特にチアダンスは、百合学院中学校・高等学校がチアダンスの強豪校である為、長く続けられる環境が整っており、学年を越えて交流もできるため大変人気だそう。本格的な習いごととなると、保護者にとっては送迎が負担になることもありますが、専門的な指導を学院内で受けられるため、ニーズも高いとのこと。今後はこのような課外レッスンにも力を入れて増やしていきたいとおっしゃっていました。

子どもたちの放課後の過ごし方で将来の可能性を広げたい

「小さい時から色んな経験をさせたいと思っています。できる事もあれば、できない事もあると思いますが、幅広く経験をして、できた時に自分の自信になり、また頑張ろうと思う経験を重ねていく事がとても大事で、可能性をどんどん広げてほしいと強く考えております。ナザレトクラブのプログラムは、何より、自分の好きなこと、興味があることを自分たちで選択しているので、とても熱心に、真剣に取り組んでいる姿が見られます」と大石学院長先生がナザレトクラブに対する思いを伝えてくれました。
華道では、師範の先生から生け方を習い、お花の名前も教わりながら実際に自分で花器に生け、その絵を描いて色付けしたものをお花と共に持って帰り、自宅でもう一度おうちの方の前で生けてもらうそうです。子どもたちが学んできた事が、実際に家庭でも見ることができ、成長を感じながらお花のある暮らしができると話してくれました。実際に校内見学をさせて頂いた際、玄関には季節のお花が飾られていました。華やかさと季節感と、子どもならではの発想力のあるイキイキとした生け花に仕上がっていました。

“百合らしさ”を残しつつ、社会の変化も取り入れる

「以前は、とても画一的な、いわゆる“預かり保育”をメインでやっていましたが、子どもたちの多様化により、方々で望むものが変化しています。保護者の方々との意見を伺いながら、習い事を充実したプログラムへとリニューアルしました。今では7割以上の児童が利用してくれており、子どもたちは意欲的に取り組んでいます。受講したいプログラムの時間を選んで学童保育を利用されるケースもあります。帰宅時は4コースあるスクールバスにて送迎をすることにより、子どもたちを安心安全に送り届けています」と。
「社会が目まぐるしく変化しても、変わらない豊かな人間性を養い、品のある女性に育って欲しいと思っています。例えば、あいさつの方法でも、言葉を発しながら頭を下げる一般的な礼ではなく、相手に向かって先に言葉を発してから頭を下げる『分離礼』を教えています。気持ちがこもった挨拶をすることができ、丁寧さも伝わりますよね。立ち居振る舞い、言葉遣いが丁寧な“百合らしさ”を身につけ、品格と深い教養を身につけ、社会の幸せに貢献できる自立した女性の育成に努めたいです」と締めくくられました。

まとめ

学校内を見学した際に、学院長先生を見つけると「先生こんにちは! 今日はこんな事があったよ! 今こんなことをしているよ!」とすれ違う子どもたちが元気に挨拶をする姿を見て、とても微笑ましく思いました。そして取材に訪れた私達にも気さくに話しかけてくれ、場を和ませてくれたのがとても可愛らしく印象的でした。
昨今の待機児童問題で、保育園の次は学童か・・・とため息をつかれるご家庭も多いと思います。小1の壁:小4の壁と言われているもの。育児と両立しながら仕事を継続する上では、安心安全に子どもが暮らせる場所が確保できるかどうかは重要なポイントです。帰宅後に一人で長い時間を過ごす子どもも増えています。その上、習い事を始めると送迎の負担は保護者に重くのしかかる問題です。百合学院での"All in School"は、子どもの安心安全な居場所の確保と、習い事で子どもの可能性を広げる取り組みの両方が叶うため、とても心強いプログラムだと感じました。
子どもにとっては、放課後に校内を移動するだけで済む、同じ学校の友達がいる、慣れたスクールバスなので帰りも安全、曜日によって行先が違うなどの混乱がない、短縮授業中・長期休業中などの環境の変化が少ないなど、多くの利点があります。
保護者にとっては、費用が抑えられる、就労条件がなくどのご家庭でも利用可能、小学校6年生まで利用可能なこと、子どもと学校の先生(習い事の講師)との情報連携がスムーズ、習い事への送迎の手間が省ける、とにかく安心安全(一人で歩いて想定外の事件や事故に合う可能性が少ない)、イレギュラー(今日は習い事が休みだった)等の対応が不要などの利点が多数あります。
最近では民間の学童保育や、学童保育付き英会話スクールなどを選択するご家庭も増えているのではないでしょうか。

その中で、百合学院のような取り組みをされている私立の小学校は、学費と合わせて考えても一つの選択肢として考えられるのではないでしょうか。これからも、ナザレトクラブを中心に、子どもたちの可能性をひろげる学びや、安心安全に放課後を過ごせるような場に期待したいと思います。

取材協力

百合学院小学校

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